皆さんは「サウナに入ると痩せる」と聞いたことがありますか?
サウナの熱で汗が出て一時的に痩せて見えるだけなのか、それとも継続することで本当に痩せられるのか。本当のところはどうなのでしょうか?
今回はサウナ×ダイエットについて解説します。
サウナのダイエット効果は一時的
サウナ入浴は確かに汗を大量に掻くため、一時的には体重が減少します。これは体内の水分が失われるためですが、水分を補給すれば元の体重に戻ってしまいます。つまり、ボクシング選手が計量前に大量に汗をかいて減量すると同じで、一時的な体重減少に過ぎず、本当の意味での「ダイエット」とは言えません。
サウナの効果でもう一つ一般的なのが基礎代謝が上がることです。人間の身体は体温が1度上がるごとに基礎代謝が10~15%アップするため、サウナを利用すれば一時的に多くのカロリーを消費します。実際、1時間のサウナで約500カロリーを消費する計算になります。この消費カロリーは軽い運動と同等です。
ただし、こちらもサウナを出たらまた通常の代謝に戻ってしまうため、長期的なダイエット効果は期待できません。むしろ、サウナに入る前後で水分を多く取らないと脱水症状に陥ってしまいます。サウナ自体は一時的な代謝アップに過ぎません。
甲状腺ホルモンとサウナのダイエット効果
一方で、サウナ浴が甲状腺ホルモンの分泌を促進し、持続的な代謝アップに繋がるという説もあります。甲状腺というのは人間の首の前方にある小さな臓器で交感神経と全身の代謝を活性化する働きを持っています。甲状腺ホルモンは基礎代謝を調整する重要なホルモンで、分泌量が増えれば消費カロリーも増加するのです。
しかし、サウナでの甲状腺ホルモン分泌促進効果は個人差が大きく、普段から甲状腺機能が低い人でないと顕著な効果は期待できません。つまり、サウナ入浴だけで「やせ体質」を手に入れることは難しいということです。バランスの良い食事と適度な運動を組み合わせることが重要不可欠なのです。
サウナ後の食欲増進とリバウンド
一部の研究では、サウナに入ると一時的に代謝が上がるため、空腹感や食欲が増進する傾向があることが報告されています。サウナで発汗による水分と塩分の損失が、生理的な食欲亢進をもたらすのかもしれません。
サウナ後にいただくご飯が「サウナ飯(サ飯)」が美味しいのもこれが理由です。サウナ後にラーメンや揚げ物、ビールなど高カロリーの食事を過剰に摂取してしまうと、サウナで消費したカロリーを上回ってしまう恐れがあります。結果として、一時的な代謝アップ効果を台無しにしてしまい、かえって体重が増加する可能性もあります。
つまり、サウナ入浴後は空腹感に注意が必要です。適度な量の低カロリー食を心がけ、サウナで消費したカロリー以上の摂取にならないよう気をつける必要があります。
サウナ×ダイエットの上手な活用法
サウナを単体で見れば、持続的なダイエット効果は期待できません。しかし、サウナを日常生活に取り入れることで、楽しみながら一時的な代謝アップを図ることはできます。
サウナでダイエット効果を最大化するには、以下のポイントを意識しましょう。
ポイント
- サウナの前後で十分な水分補給を心がける
- サウナ中に軽い運動を取り入れてカロリー消費をアップ
- サウナ習慣で基礎代謝を高める生活習慣を身につける
- サウナ後の食べ過ぎに注意し、リバウンドを防ぐ
健康志向が高まるこの頃、サウナを日常に取り入れるのは賢明な選択肢。楽しみながらダイエットできますし、リフレッシュ効果や免疫力アップなどの副次的な恩恵も期待できます。ぜひ、サウナ×ダイエット習慣を始めてみてはいかがでしょうか。