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動かないだけでこんなに変わる?『羽衣』で冷たさをやわらげるサウナ入門

動かないだけでこんなに変わる?『羽衣』で冷たさをやわらげるサウナ入門

この記事で解決できるお悩み

  • 羽衣って言葉をよく聞くけど、実際どう作るの?
  • 冷たい水風呂に入りたいが、怖さが先立つ
  • サウナでの最高体験を一歩進める方法を知りたい
鳴海慎吾
鳴海慎吾

こんにちは、鳴海慎吾です。
本日は羽衣についてのお悩みを解決する記事を書きました!

サウナが好きな方はもちろん、まだサウナの魅力をよく知らない方でも「水風呂が苦手」という声をよく耳にします。確かに、あの冷たさをイメージすると「どうしても入れない」と感じる方もいるでしょう。でも実は、ちょっとした工夫で水風呂が苦手から「意外と気持ちいいかも!」と感じられるようになるかもしれません。

そのポイントとなるのが、「羽衣」と呼ばれる現象です。サウナと水風呂を繰り返すうちに自然と身につくテクニックのようなもので、一度コツをつかむと「水風呂の冷たさが和らいだ!」と驚くこと間違いなし。この記事では、「羽衣」とは何なのか、なぜ発生するのか、そして「羽衣」を作るための具体的な方法を解説します。サウナ好きの方はさらにステップアップを、まだサウナに詳しくない方は「こんな楽しみ方があるんだ」と知っていただけるとうれしいです。

  • この記事を書いた人

鳴海 慎吾

宮崎市在住の30代 会社員。普段はIT系の企業に勤めながら平日・土日祝問わずサウナめぐりをしています。サウナブームが再来している中、宮崎県は他県と比べまだまだと感じ、情報発信サイト始めました。 サウナ歴:10年くらい プロフィール

「羽衣」とは? その正体を知ろう

サウナの後に水風呂へ肩まで浸かり、じっと動かない状態を続けると、まるで肌の表面を薄い膜が覆うように感じることがあります。これが一般的に「羽衣(はごろも)」と呼ばれる現象です。すぐに動いてしまうとなかなか気づけませんが、身体にまとわりつくような不思議な感覚があり、そのおかげで冷たさを感じにくくなるのです。

マンガ『サ道』で広まった「羽衣」のルーツ

サウナにハマるきっかけとして、多くの人から支持されているマンガ『サ道』(著:タナカカツキ)。これにはサウナ室で感じる熱さや、その後の水風呂に浸かったときの心境などがリアルに描かれています。

特に注目したいのは、水風呂に浸かったときに身体の表面を覆う膜のような感覚。その感覚を『サ道』の作者タナカカツキ氏は「羽衣」と表現しました。この言葉がきっかけで、「水風呂に入ると冷たくない膜のようなものができる時間帯がある」ことが、サウナを楽しむ方々の間で広く知られるようになったのです。

(出典:『マンガ サ道』1巻 p.29)
(出典:『マンガ サ道』1巻 p.30)

「羽衣」とは、もともと天女が羽ばたくために身につける衣を指す言葉。その優雅なイメージとも相まって、多くの人々がサウナ後の水風呂で感じる「何とも言えないやわらかい膜」の状態を「羽衣」と呼ぶようになりました。

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そもそも「羽衣」って何?仕組みを解説

「羽衣」とはサウナ後に水風呂へ入った際、身体の表面にごく薄い“温度の境界層”ができることで、冷たさをやわらげる現象を指します。以下「熱交換」と「温度境界層」2つのポイントを押さえておくと理解しやすいでしょう。

熱交換

サウナで温められた身体(温度が高い)と水風呂(温度が低い)の間では、熱が高いほうから低いほうへ移動します。最初は肌が水の冷たさを感じますが、しばらくじっとしていると身体の表面の水温が少し上がり始めます。これが「熱交換」です。

温度境界層

水と肌の間で熱交換が進むと、肌のまわりだけ水温がやや高くなる領域が形成されます。この境界の層こそが「羽衣」の正体です。あまり動かなければ、この層が壊れずに維持されるため、冷たさがマイルドになり、心地よい水風呂体験につながります。

「羽衣」をうまく作る3つのステップ

続いては、具体的に「羽衣」を作るためのステップを紹介します。水風呂に慣れていない方でも、以下を意識すれば冷たさを感じにくくなるはずです。

サウナで十分に身体を温める

水風呂が苦手な方にありがちなのが、「まだ身体がしっかり温まりきっていない」というケースです。サウナ室では、温度や湿度と相談し、自分が心地いいと感じる程度にじわじわと体を芯から温めましょう。ポイントとしては、背中の中央部まわりがしっかり温まったと感じたり、心拍数が通常より高くなったと自覚できるタイミングを目安にサウナを出るとよいでしょう。

息を吐きながら一気に入る

いざ水風呂に入るとき、息を止めて構えてしまいがちですが、実は逆効果。息を止めると心臓に負担がかかったり、余計に冷たさを強く感じることがあります。そこで「ふーっ」と息を吐きながら、水風呂に肩まで一気に浸かってみましょう。少し勇気は要りますが、これだけで幾分楽に入れるはずです。冷たさへのショックを減らすと同時に、落ち着いて呼吸できるため、安心感が高まります。

水風呂で動かずじっとする

肩まで浸かったら、あとはなるべく静かにじっと待機。その理由は、動いてしまうと温度境界層が壊れてしまい、水が巡回して常に「新しい冷たい水」と接してしまうからです。少し耐えてじっとしていれば、身体の表面付近の水温が上がり、「羽衣」が完成します。

水風呂選びも大切!バイブラがあると羽衣は壊れやすい

サウナ施設には、泡やジェットが出てくる「バイブラ」機能つきの水風呂もあります。リフレッシュ感があって気持ちいいものの、泡の流れによって水が常にかき混ぜられてしまうため、羽衣ができにくいのがデメリットといえるでしょう。もし「羽衣をしっかり体感してみたい!」と思うなら、バイブラのない静かな水風呂がベストです。また、人の出入りが激しい大きな水風呂でも羽衣が崩れやすいため、できれば空いているタイミングを狙って入ってみるのもおすすめです。

バイブラについての詳しい解説は下記の記事を参考にしてみてください。

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水風呂が苦手な人にも「羽衣」を試してみてほしい理由

「どうしても冷たい…」と苦手意識を持っている方ほど、ぜひ羽衣づくりを試していただきたいです。サウナ後の体が十分温まった状態であれば、思っているより水風呂は心地よい温度差になります。最初の数秒を乗り越え、ゆっくり呼吸しながら静かに身を沈める――これができると、水に身体を溶かすような心地よさを感じられるようになるかもしれません。羽衣がもたらす快適なクールダウンを体感できれば、水風呂への苦手意識も薄れていくことでしょう。

別途、水風呂が苦手な方向けの記事も投稿していので、興味がある方は参考にしてみてください。

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マンガ『サ道』が教えてくれたサウナの楽しみ方

マンガ『サ道』には「サウナは心と身体の調整」という考え方が描かれています。サウナ室の熱さを感じながら自分を見つめ直し、水風呂で一気にクールダウンして気を引き締める。そして外気浴でリラックスし、再びサウナへ……という黄金の流れが、ただの暑い→寒いという起伏を超えた深い充実感をもたらすのです。

その中でも「水風呂の冷たさの先にこそ至福がある」と説明されているのが、羽衣の存在。最初の一歩は誰でも勇気がいりますが、慣れてくると「じりじりと熱いサウナ後の水風呂は、むしろ楽しみ」と思うようになるはずです。

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まとめ:羽衣を味方に水風呂をもっと楽しもう

サウナ後の水風呂は「慣れれば最高!」という人もいれば、「どうしても冷たすぎて苦手…」という人もいます。しかし、タナカカツキの『サ道』にも描かれている通り、羽衣をまとってしまえば世界が変わるかもしれません。そして、そのためのカギは「身体を十分に温める」「息を止めずに入る」「水の中で動かない」という、非常にシンプルなもの。

もしご自身が「冷たいから無理」と敬遠しているなら、次回のサウナタイムにはぜひこのコツを試してみましょう。バイブラが少なく、人が少ない時間帯を狙った水風呂は特におすすめ。冷たさの先にある独特の心地よさを体感すれば、サウナそのものがもっと楽しくなるはずです。

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宮崎市在住の30代 会社員。普段はIT系の企業に勤めながら平日・土日祝問わずサウナめぐりをしています。サウナブームが再来している中、宮崎県は他県と比べまだまだと感じ、情報発信サイト始めました。 サウナ歴:10年くらい プロフィール

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